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読書感想【ドラキュラ紀元】

どうもー。

なんとなく、今日は気分が乗っているのでさらに更新します。
今回は、読書感想。遊戯王の話ばかりだとアレなので、時々本の紹介でもしましょう。

さて。
最初は、先日読んで面白かったこの作品。

ドラキュラ紀元 (創元推理文庫)
キム ニューマン
東京創元社
売り上げランキング: 290956


出版社/著者からの内容紹介
ヴァン・ヘルシングが敗れ、ドラキュラはついに英国全土を征服した。だがその治世下、吸血鬼の娼婦ばかり惨殺される事件が発生。諜報員ボウルガードは、闇内閣の命を受け、〈切り裂きジャック〉追跡に乗り出す。一方、ドラキュラとは血統を異にする吸血鬼の美少女、ジュヌヴィエーヴもまた調査に……虚実ないまぜ、名作の続編!

なんとなく、写真がないとさみしいと思ったのでamazonアソシエイトとかいうのに登録してリンクを引っ張りました。見栄えしますね。なんかこれをクリックして本を買うとちょっと紹介料がもらえるらしいです。これ絶版なんですけど。でもリンクの生成は本当に楽。これこの機能のためだけに使っている人多いんでしょうね。

というわけで、ブラム・ストーカーの「吸血鬼ドラキュラ」で、「ドラキュラ伯爵が勝利していたら?」というIFストーリー。19世紀ロンドンに活躍した架空の有名キャラクター(ホームズシリーズ、ジキル博士など)も登場してます。
結構分厚いんですけど、知ってる名前が出てくるので、ライトノベル感覚でニヤニヤして読めます。

以下、感想(ネタバレがあるかも)

ブラム・ストーカーの「吸血鬼ドラキュラ」は今では誰もがその名を知っている名作です。本を読んだことがなくても、「吸血鬼と言えばドラキュラ伯爵」くらいの認識はあると思います。このドラキュラ伯爵とのクロスオーバー的作品はそれなりに見かけますが、「吸血鬼ドラキュラ」の時系列のまま、「もしもドラキュラ伯爵がヴァン・ヘルシング教授を倒してイギリスを征服したら?」というIFストーリーを作ったものは少ないはず。また、「吸血鬼ドラキュラ」からの設定の引継ぎが上手く、これと「切り裂きジャック事件」を関連付けたところで、物語の大筋としては勝利しているといえます。

主人公チャールズ・ボウルガードとヒロインのジュヌヴィエーヴとその他何人かは著者キム・ニューマンの作り出したオリジナルキャラクターですが、その他はおびただしい数の歴史上の人物と、有名なキャラクターで構成されています。
もちろん「吸血鬼ドラキュラ」に登場した主人公一味の生き残りも出てきますし、有名どころではコナン・ドイルの「シャーロックホームズシリーズ」からも参加しています。名探偵シャーロックホームズは残念なことに投獄されていますが、レストレイド警部やモリアーティ教授(とその右腕とか言われるモラン大佐)が割とメインな感じで登場します。なんとなく、シャーロックホームズは世渡り下手なんだろうな、と思いますね。ホームズさんがいない代わりに、兄のマイクロフト・ホームズは主人公ボウルガードの上司として闇内閣に君臨しています。他にも、「ジキル博士とハイド氏」のジキル博士や中国の悪魔博士なんていうのも出てきます。
架空のキャラクターで埋め尽くされているかと思いきや、ブラム・ストーカー氏(投獄されてますが)やその妻のフローレンス・ストーカー(割とメインキャラ)、「サロメ」「ドリアングレイの肖像」を書いたオスカー・ワイルド氏など、実在の人物も登場してます。
その他、私では読んだことがないような吸血鬼作品からの登場吸血鬼がかなり多いです。「吸血鬼ドラキュラ」のもとになったとも言われる「吸血鬼カーミラ」という本がありますが、そのカーミラ(滅ぼされた扱い)や父カルンシュタイン伯爵なんかの存在も示唆されていたりして、本筋に絡んでいなくても名前だけでニヤっとするようなこともしばしば。
とにかく登場人物が多くて、巻末の登場人物一覧が結構なページ数になってます。

さて。
勢力分布ですが、ドラキュラ伯爵は無事イギリスでヴィクトリア女王を「転化」させ、その夫になることで「プリンス・コンソート」として事実上のイギリス王になっています。この「転化」ですが、「吸血鬼化すること」という意味でつかわれています。これによって、「吸血鬼」という存在が公のものとなり、吸血鬼は当たり前のものとして普及しています。「転化」した者を「ニューボーン」、していない者を「ウォーム」、ドラキュラみたいな古い吸血鬼を「エルダー」と呼んでいて、「お前も早く転化しろよ」とか「彼女が綺麗なうちに転化を考えるべきだ」とか、そんな日常会話が出てきます。この発想はなかなか面白いですよね。
ドラキュラ伯爵の取り巻きとして、ヴラド・ツェペシ公時代からの部下やら、いろいろな作品の吸血鬼やらが出てきます。
次に、闇内閣(ディオゲネス・クラブ)という政府組織があります。マイクロフト・ホームズとか、主人公のボウルガードが所属しています。謎が多い組織で、ボウルガードが主人公なので闇内閣は味方ですが、「命令されているけど、本当の目的はわからない」という形でストーリーが展開します。
警察組織代表は、シャーロックホームズシリーズおなじみのレストレイド警部です。結構いいキャラしてます。しかし、スコットランド・ヤードも一筋縄ではいかない人たちで、一応ドラキュラの配下ですが、ドラキュラの取り巻きとは喧嘩してます。
闇内閣ではない普通の政府もあるわけで、首相は吸血鬼です。その側近に「吸血鬼ドラキュラ」の主人公一味の生き残りの1人ゴダルミング卿がいたりします。ドラキュラから恩赦を受けて、転化しています。処世術ですね。「吸血鬼ドラキュラ」では結構いいキャラクターなのに。でもまさにメインキャラクターです。
もちろん、悪の組織も存在します。シャーロックホームズシリーズのボスであるモリアーティ教授と中国の悪魔博士が中心人物です。他にもいろいろ出てきますが、2人に比べれば格下ですよね。
ヒロインのジュヌヴィエーヴは金髪美少女吸血鬼(見た目16歳くらいだったかな)という超アニメ向け設定で、しかも転化したのは16世紀という設定。分かってますねぇ。でも日本人だったら10歳くらいの設定にしますね。で、このヒロインは何か悟った人で、看護師の慈善活動してます。天使。そこの所長は「吸血鬼ドラキュラ」の主人公一味の生き残りであるセワード博士だったりします。

このかなり色々な勢力がある中で、「切り裂きジャック事件」が発生します。
上手いと思ったのは、ジャックのことを「銀ナイフ」と呼ぶことです。史実のジャックもナイフで連続殺人をしますが、吸血鬼に対して「銀」は致命的な存在です。物語ではジャックは銀のナイフで吸血鬼の娼婦を滅ぼす連続殺人鬼となっています。

物語は、「打倒ドラキュラ伯爵」ではなく、「銀ナイフを捕まえること」を目的として進みます。
闇内閣のマイクロフトさん、犯罪王の教授、ダメなレストレイド警部、ドラキュラ反逆罪という過去の汚名を返上するべく捜査するゴダルミング卿、主人公ボウルガードで色々な思惑が交錯していきます。

が。
本編スタートでいきなりジャックの正体がわかります(笑)。
いきなりジャックの日記が始まりますからね。
しかし、ジャックの正体がわかっていても、謎がかなり多いので最後まで読むと、「なかなかよくできていたな」と思います。
ただ、犯人が分かっているだけに、ジャックに感情移入してしまいそうになります。しかも、愉快犯ではなくて、かわいそうな人です。読んでいくと、「ジャックには幸せになってほしいかも」なんて思ったりするかもしれません。いいキャラです。このジャックの設定は完璧ですね。

以上のように、キム・ニューマンさんはかなりの勉強家で、世界観もよく作りこまれているのでお勧めの作品です。
オリジナルのボウルガードとジュヌヴィエーヴも、偉大なキャラクターたちの中にあって、結構な存在感を出せています。ボウルガード格好いい。ジュヌヴィエーヴかわいい。クロスオーバーにオリジナルキャラを混ぜるのって難しいんですけど、なかなか上手くできてます。ドラキュラとか教授とかはすでにイメージが出来上がっているキャラクターなので、掘り下げる必要がないのがいいのかもしれません。

ただし、一つ問題点を挙げるとすると、「吸血鬼ドラキュラ」を読んでから本書を読んだ方がいいということですね。
「ドラキュラ紀元」だけでも十分に楽しめますが、「吸血鬼ドラキュラ」からの引継ぎが多いので、一部の登場キャラに感情移入するには、せめてストーリーは知っている必要があります。一応巻末の登場人物一覧に簡単に書いてありますが。
まぁ、「吸血鬼ドラキュラ」でドラキュラ伯によって最初に転化させられ、ヘルシング教授一見によって滅ぼされたルーシー嬢というキャラがいるということが分かればいいような気もしますが。ドラキュラが勝って、吸血鬼が普及してみれば、「ルーシーを殺す必要はなかったよね、ヘルシング教授とかいう頭の固い老人のせいで・・・」という価値観の変化があったり。



まぁまぁ、とにかく一度読んでみても損はしないと思います。暇つぶしには最高です。
色々本を読んでいれば、「あ、こういう役回りでくるのか」と楽しめますし、そうでもなくても、「このキャラいいなー」とか思いながら次読む本の候補になります。
でも、この本実は絶版なんですよね・・・。古本屋で見かけたらぜひ買ってみてください。



長くなったなー。
ではでは。
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わふぅドラキュラ紀元だ。

これ面白いですよね。まわりに知ってる人いないから思わずコメントしちゃいましたよ。ドラキュラファン、ホラー映画ファンならもちろん色んな人にも楽しめる要素満載なのに何故はやらなかったのかな〜。
絶対ハリウッド映画化間違いなしと思ってたのに。
余談ですが主人公のボウルガードってジェームズ・ボンドのオマージュかと最初思ってたんですけどちゃんと本人後から出て来ましたね。
何にせよ同好の氏がいるというのは非常に嬉しいものです。

Re: わふぅドラキュラ紀元だ。

〉めろりんP様
初めまして。面白いですよね。絶版本なので知名度が低いようですが、娯楽本としてかなり上質だと思います。ストーカーのドラキュラからの繋げ方が上手いんですよね。あれを読んでいるのといないのではセワード博士への感情移入の度合いが全然違いますね。
私はドラキュラ紀元が一番好きです。戦記と崩御も好きですが、紀元のゴシックホラーテイストが好きです。三作とも雰囲気が全然違いますよね。戦記はリヒトホーフェンとエドガー・ポオの絡みとか結構好きでした。それでもセワード博士が一番です。
色々な人々にお勧めしたい本ですが、絶版なのが残念ですね。あとは、既存のキャラが多いのであまり読書しない人には厳しいのかもしれませんね。
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